東京高等裁判所 昭和37年(う)1223号 判決
被告人 今井正文 外二名
〔抄 録〕
しかし原判決が証拠により認定したところによれば被告人等(今井、森本、後藤)は滝本守男をら致監禁して、料亭雪村の売却処分に関する事情を聴取し、林ゆきえから金員を喝取しようとし、滝本をら致監禁するについては、同人が自家用自動車を運転中同人をおそつて暴行脅迫を加え、同人の反抗を抑圧した上、右自動車を完全に被告人等の支配下におき、これを仲間の手で運転して森本のアパートに到り、ここに滝本を監禁し、自動車は他の場所に運んでおくことを定め、判示日時滝本が自宅前に自動車を停めるのを見とどけるや、森本及び後藤が滝本の身辺に迫り判示のような暴行脅迫を加えて自動車を運転発車させ、爾後約一時間半にわたり滝本の抵抗を抑圧し、その間滝本の自動車に対する支配を完全に排除してこれを自己等の用途に供したものであつて、右被告人等の行為は他人の物である右自動車を権利者を排除し自己の所有物と同様に利用したものであり、しかも被告人等は滝本を監禁した後右自動車を新宿に運んで置き放しにし、かなり長時間に亘つて滝本の支配を排除し、いつでも自分等の意のままにこれを処分しうる状態においたものであるから、被告人等の所為は単なる一時使用の目的に出たものとは認められず、これを強盗罪と認めた原判決は所論のように事実を誤認した違法があるものとはいえない(昭和二六年七月一三日最高裁判所第二小法廷判決刑事判例集五巻八号一四三七頁参照)
(藤嶋 山本 荒川)
注 本件は量刑不当で破棄